牛頭馬頭

キッチンドランカーのほろ酔いレシピ帖

八角が香る魯肉飯(ルーローハン)

前回からの台湾シリーズ続編。

 

最近思ったのだけど「肉の煮込」系の料理は失敗が少ない。

いい肉を甘辛い味付けでグツグツ煮れば、十中八九美味しい何かが出来上がる。そしてビールのつまみにもいいし飯にも合う。嫌いな人は少ないはずだ。

過去の煮込み系料理の記事はこちら

 

台湾にも「魯肉飯(ルーローハン)」という豚肉を煮込みを白飯にぶっかけたB級グルメがある。簡単に言うと台湾風の角煮丼だ。 

 

これが台湾で食べた魯肉飯。魚のフレークのようなものがかかっていた。思ったよりあっさりした味付けで八角の香りも穏やかだった。

 

先日行った麺線屋でもセットメニューで出てきた。

 

「魯肉飯」も麺線と同じくらい好きな台湾料理だ。

ということで麺線に続き、「魯肉飯」を作ることにする。

 

 

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材料

ところで、煮込み料理は甘味のつけ方が大事だと思う。

 

自分は砂糖やハチミツを使うことが多いが、魯肉飯の場合は、紅蔥頭(アンツァンタウ)とも呼ばれる揚げたエシャロットも使うらしい。

エシャロットは小さい玉ねぎのような形をした香味野菜で皮をむくと紫色をしている。これを刻んで揚げることにより生まれる自然な甘味と香ばしさを出すわけですな。

 

ちなみに居酒屋のおつまみで時々見かける「らっきょう」にも似た白いエシャレットは正式には「エシャレット」という商品名で本来のエシャロットとは別物らしい。(逆に本物は「ベルギー・エシャロット」と明示される→エシャロット - Wikipedia

 

ということでベルギー・エシャロットを探して三千里、朝から川崎北部市場まで足を延ばして買ってきた。¥1,000/kgだった。生まれて初めて買うのでこれが安いのか高いのかわからない。

 

 

ついでに主役となる豚肉も市場で買った。

国産豚バラ1kgと、アメリカ産スペアリブ約1kg弱。

本当は全部バラ肉がよかったのだが、スペアリブが安かったので混合で使うことにした。

 

 

今回使う材料をまとめるとこんな感じ。

<具材>

・エシャロット 8個
・豚肉  2kg (バラ+スペアリブ)
・卵 10個
・しいたけ 1パック

・八角 3つ
・五香粉 少し

<調味料>

・濃口醤油 50ml
・台湾の醤油 180ml (黒豆蔭油80:老抽醤油80 濃い口しょうゆで代用可)
・砂糖(三温糖) 大さじ2
・はちみつ 大さじ2
・酒 大さじ6
・しょうが 3かけ
・にんにく 2かけ

 

魯肉飯っぽさを出すには香りも重要。八角のホールと五香粉を使う。どちらもGABANのやつでちょっと高いけど普通にスーパーに置いてあった。苦手な人は少な目で。

 

 

揚げエシャロット(紅蔥頭)を作る

今回の素材のキーとなるエシャロットからやっつけていこう。

まず茶色い皮を剥いて洗う。本体は紫色をしている。

 

 

揚げやすいよう包丁で薄くスライスする。

 

 

中華鍋にサラダ油とエシャロットを入れて火にかける。油の量はエシャロットがかぶるくらい。(写真の油の分量だと少ないのでこの後足した。)

 

 

中火でじわじわと揚げる。時々ヘラで返す。

 

 

キツネ色になったら火を止めてザルで油を切る。

少し色付き始めたと思ったら一気に茶色くなるので焦げないように気を付ける。

 

 

ほらー油断したので少し焦げた。

まぁ許容範囲なのでこのまま使うことにします。

切った油は冷めたらビンに入れて保管する。香味油として色々と再利用できるので。

 

 

キッチンペーパーに敷いて余分な油を切る。こうしてしばらく乾かしておきます。

味見をすると甘さと香ばしさが口に広がる。ラーメンやスープの隠し味に入れてもいいそうで、後日「中本」のカップラーメンに加えたら香ばしくて非常にうまかった。

 

 

肉を切って炒める

豚バラブロックはこんな感じでスライスして、

 

 

細切れにする。好きなサイズでいいと思います。

茹でると縮むので結構太めに切った。2cm角位かな。

お店のはもっと細かった気がする。

 

 

スペアリブは骨から肉をそぎ落として同じく細切れにする。

骨部分は下ゆでして出汁に使うので捨てない。

 

 

エシャロットを揚げた油をフライパンに大さじ1程入れて、しょうがのみじん切り1かけ分を加え、火にかける。香りが出たら肉を入れて炒める。

 

 

肉は強火でざっと表面に焼き色がつくように炒める。

 

 

焼き色がつくまで1~2分ぐらいでOKかな。

2kgともなると一度にフライパンに入りきらないので3回に分けて炒めた。

 

 

その他の具材を準備する

 

シイタケは1cm角ぐらいに切る。

 

 

卵は自ら固ゆで(沸騰10分位)にし、皮をむいておく。

 

 

スペアリブの骨部分は15分ほど下ゆでして、洗って固まった血や血管などを取っておく。

 

 

 

調味料を混ぜる

計量カップなどの適当な入れ物に入れて調味料を全部まぜておく。

今回は前回の麺線の記事でも書いた台湾の醤油を使ったが、濃口醤油だけでもいいと思う。その場合は塩気が強くなり甘さが足りなくなると思うので分量をやや少なめにして代りに砂糖を多めにいれるとよいかもしれない。

 

 

煮込む

大き目の鍋に炒めた肉を入れる。

 

 

かぶるくらいの水を張る。このときは1.5リットル。

 

 

刻んだしいたけも追加。火にかける。

 

 

アクが出てくるのでひたすら取る。

 

 

スペアリブの骨を忘れていたので放り込む。骨から出汁が出るはず。

 

 

混ぜた調味料とにんにく2かけ、しょうが1かけをスライスして入れる。 

 

 

続けて揚げたエシャロットを入れる。

全部で10個分のエシャロットを揚げて、そのうち8個分くらい使った。

余った分は瓶に入れて保存しておけば色々と使える。

 

 

鍋が満員で、ゆで卵を入れるスペースがなくなってしまった。

しばらく煮詰めてかさが減ったら卵を入れることにします。

 

 

最後に香りを加える。八角3つと五香粉を小さじ1/2程度。

 

 

しばらくグツグツしてたらスペースができたので卵を投入。

油が多すぎると味がぼやけるので浮いてきた脂の上澄みは半分くらいすくって取った。

 

 

すごく暇だったので動画を撮った。

 

 

 

骨から肉を取り外せなかったシーンで全米が泣いた。

 

計3時間程煮込んだら火をとめて、1日寝かせてじっくり味を染み込ませた。

そして翌日食べる予定だったが、遊びに来た友人と呑んでいたら寝落ちしてしまって自分だけ食べれなかった。

 

 

ということで寝かす事2日目にしてようやく食べることができた。

魯肉飯のお供、タクアンを添えて。

 

 

真っ黒になっちまったが味が染み込みまくり。

八角とシイタケとかパクチーって昔は嫌いだったのにいつの間にか好きになってたな。

あ、ビールもそうだ。大人になると味覚が変わるんだろな。

 

 

そういえばタクアンって、台湾の人も食べるんですな。

甘い味付けに妙に合う。

 

ちなみにあんなに頑張ってチャリをこいで買いに行ったエシャロットの味は煮込まれすぎたせいかよくわからなかった。もしかすると玉ねぎでもいいのかもしれない。

 

お粗末様でした。

 

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