「おでん」
と聞くとあっさりしたしょうゆ味の出汁に大根などの具材が浸かっている画を思い浮かべる人が多いと思う。
我が家では愛知出身の父親が「おでん食べたい」となれば母親が作るのは決まって赤味噌味仕立てだった。
いわゆる名古屋メシ。
濃厚な味噌味で上の写真のように煮汁も具も全部茶色。
知らない人に「おでんだよ」と言って出したら「え?」となるだろう。
そんな外見でも、食べてみるとじっくり煮込んだ牛すじ肉など具材から出るコクと甘い赤味噌が合わさってなんともいえない深い風味がある。
豆味噌特有の独自のビターな癖はあるが全体的にはマイルドでやさしい味。
味噌が染み込んだ大根を齧ると「うーん、やっぱりこれだわー」となる。
この時ばかりは関東育ちの自分にも父親と同じ尾張人の血が流れていると思う。
今回はこの味噌おでんのレシピをご紹介する。
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材料
≪具材≫ 7~8人前くらい
牛すじ・・・1Kg
大根・・・1本
さといも・・・6個
板コンニャク・・・3枚
たまご・・・10個
しょうがスライス・・・1かけ
ネギ・・・2本
さつま揚げやちくわなどの練りもの・・・適量
八丁味噌(赤みそ)・・・350g
砂糖 ・・・100g
はちみつ ・・・大匙4
酒、みりん ・・・適量
出汁昆布 ・・・5cm各2枚
顆粒だし ・・・大匙1
この日はうちに友人が8人程集まることになったので多めに作る。
味のポイントとなるのはやはり牛すじ。
できれば国産のものを使いたいが近くのスーパーに500gしか置いていなかった。
そこでもう一軒他のスーパーを回りアメリカ産を500g追加でゲットした。
全部で1kgもあればいいだろう。
味噌については八丁味噌は高いので普通の赤だし味噌(ただし豆味噌)でもよいらしいが、今回はスーパーのタイムセールで安くなっていた八丁味噌を買ってきた。
やはり香りがよくてうまい気がするので。
仕込む
味噌おでんは自分でも何度か作っているが実家の母親に電話しレシピを再度確認した。
要点としては牛すじは下茹で後、単体で柔らかくなるまで煮る。
そして練り物系の具材は煮込み工程の最後の方に入れる。
最後にたくさん煮込むとよいとのことだった。
おおまかな流れは以前書いた牛すじ煮込みのレシピとほぼ同じ。
具の大きさや味付けが少し違うくらい。
今回は夕方に作り始めたので時間がない。
煮込める時間は短めになりそうだが2~3時間位かな。
ビールでも飲みながら気長にやりましょう。プシュッと。
まずは牛すじを下茹でする。
パックから出して軽く水で洗い、そのまま鍋に入れ全部が浸る位に水を張って火にかける。
沸騰したら噴きこぼれない位の火加減(中火~弱火)に調節する。
これでもかという量のアクが出てくる。
10分程煮たらザルにあけ流水でアクや血合いのゴミを綺麗に流す。
洗ったらキッチンバサミで一口大に切る。
鍋を洗ってまた2リットル程の水を張り、切った牛すじを入れて今度は柔らかくなるまで煮る。
今回は時間がなかったので圧力鍋を使った。
ネギの青い部分とスライスしたしょうがを放り込んで強圧で30分。
圧力鍋ではなく普通の鍋を使うなら1時間以上はじっくり煮たい。
牛すじを圧力鍋にかけている合間に他の具材の仕込みも進めておく。
(やる気を出すため2本目のビールをプシュ)
大根は下茹でする。
2~3cm程の厚さに切って皮をむき味が入りやすいよう両サイドに十文字の隠し包丁を入れる。
本当は面取りもした方がよいのだけど時間がないので省略した。
そして水を張った鍋に米ひとつまみを入れて茹でる。
沸騰したら噴きこぼれないように火を調整し15分程。
つまようじがすっと刺さる程度になったらボウルに開けて冷めるまで流水を流す。
冷めたら水からあげておく。
サトイモは洗って皮をむいて1口大にカットする。
こんにゃくは三角形にカット。
こんにゃくにも網目状の隠し包丁を入れておく。
この作業は数が多いと地味に面倒である。
そしてさっと熱湯で下ゆでしザルにあけておく。
卵を茹でる。水から火にかけて沸騰してから10分。
すぐに冷水につけて冷やしてから殻を剥く。
(ここらへんで少し休憩。3本目プシュ)
そうこうしているうちに圧力鍋の牛すじがやわらかく仕上がっている。
蓋を開けネギを取り除く。
上に脂がタップリ浮いているのでおたまでだいたい半分ほど掬い取る。
こうすることでさっぱりと仕上がる。
逆にこってりさせたければ脂を多めに残すと良い。
味噌や砂糖などの調味料をボールに測って入れる。
味付けはいつも目分量なのだが、最初は味噌300gと砂糖100gで始める。ここに牛すじを煮た煮汁をおたまで加えて伸ばす。
煮込みながら調整できるよう、はじめはやや薄目にする。
次に大きい鍋にスジ肉とその煮汁、大根、こんにゃく、サトイモ、ゆで卵を鍋に放り込んで煮込んでいく・・・
という予定だったが、この日は具材を大量に仕込んだので使おうと思っていた鍋に全ての材料がおさまらないことが判明。
薄々気づいてはいたが・・・やはりダメか・・・
ということで自作ラーメンスープ用に買っていた寸胴(16.5リットル)を出動。
コンロに乗せると圧迫感がある。
そういえば最近ラーメン作ってないなー。
余裕で下ごしらえした材料が収まった。
てか全容量の半分も埋まってない。寸胴でかすぎる。
少し煮汁が足りなかったので全体が浸かる程度に水を足して先程延ばした調味料(味噌と砂糖)を加えて酒、みりんを一回し振り入れる。
さらに旨みと甘味を強化するため出汁昆布5cm各2枚と顆粒出汁大匙1、はちみつ大匙4を加えた。
そしてひらすら焦げない位の火加減でコトコト煮込んでいく。
1時間くらい煮込むと水分がだいぶ飛んでトロッとしてきた。
ここでさつま揚げやちくわなどの練りものも加えた。
味見をしてみたら少し味が薄かったので八丁味噌も50g程足した。
少なくとも3時間は煮たいところだったが、
今回は2時間程煮込んで完成とした。
煮込んでいる間に串カツも作った。
(この時点でビールを4本を開けて大分酔っぱらってきていたので早く到着した友人にお願い一緒に作ってもらった。)
串カツは豚バラブロック500gを用意し小さくカットし串を打つ。
軽く塩コショウを振っておく。
そして卵、小麦粉、牛乳、塩・胡椒を混ぜてドロドロの衣を作り、この衣→パン粉の順につけて180度の油で上げる。油にはラードを少し加えた。
いい感じに揚がってる。
いざ実食。
ネギと七味を振っていただきます。
お好みでねりからしをつけてもいい。
大根や卵には味が染み込んでまずまずの出来。
牛すじもトロトロだ。
でもやはり煮込む時間が少し足りなかったかな。
串カツはこんな感じ。
おでんの煮汁をタレ替わりに串カツにたっぷりかけて、さらにソースを少しつけて食べると美味んだこれが。
これがあるから揚げ物が好きなうちの奥さんはこのおでんはうまいとよく食べる。
集まった友人たちもたくさん食べてくれて一安心。
残った分は次の日温めなおしていただく。
二日目なるとつゆが煮詰まり大根や卵などの具にはさらに味が染み込んでパワーアップする。
牛すじはフレーク状になりフルフル。ごはんかけて食べてもイケる。
大根もこれでもかというくらい味が染みこんでうんみゃあです。
卵は前日に食べてしまい残ってなかったのが残念。
どんなにたくさん作ってもあっという間に食いきれる味噌おでん。
我が家のソウルフードといえるメニューだ。
具は全部食べたが煮汁がまだ結構余ってるのでビーフシチューかカレーにしてやろうかと考え中。
※9月15日追記
嫁の発案により残った煮汁はこういう感じで活用。
鶏ひき肉とフリーズドライの柚子皮で少し上品にアレンジされた味噌煮込みうどんに。
一粒で何度もおいしい味噌おでん。
色々楽しめます。
お粗末さまでした。
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