牛頭馬頭

キッチンドランカーのほろ酔いレシピ帖

インスパイア系家二郎『三里眼』を作った話

 

「二郎」と呼ばれる豪快なラーメン屋をご存知だろうか。

 

「ニンニクマシマシ」という言葉でピンと来る方もいるかもしれない。

山盛りの野菜とニンニク、豚、それに麺の量が異常に多いのが特徴で、濃厚な豚のエキスが溶け込んだスープは中毒性が高く一度ハマると定期的に食べたくなる。

 

自分も時々無性に行きたくなるが残念ながら近所には二郎の店舗がなく頻繁には行けない。

 

しかし最近は「インスパイア系」と呼ばれる二郎を模したラーメンを出す店も多い。

このインスパイア系も店によって少しづつ味が異なっていて面白い。

その中でもとりわけ東北沢にある千里眼』は別格な美味さだと思う。

乳化したトロンとした濃厚スープに独自の極太麺(最近自家製麺に変わったらしい)が絡む最高の一杯だ。

 

自分の知り合いにもここのラーメンのファンは多い。

そんな友人が集まる忘年会にお呼ばれしたので友人宅の台所を借りて自作ラーメンを振る舞うことになった。

 

よし、せっかくなので『千里眼』をイメージしたラーメンを作ってみよう。 

さて、どこまで本物に近づけられるか。

 

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ネットで二郎のレシピはよく見かけるのでそれらを参考にしつつ作ってみる。

 

▪スープを作る

千里眼』のラーメンの特徴は乳化した濃厚なコクのスープだ。

今回は豚骨と肉を多めに使い、じっくり2日かけて豚のうま味エキスを煮出す事にする。

 

今回は10人程集まる予定なのでスープは4リットル程度は仕込んでおきたい。

ゲンコツ6本をハナマサで調達。

太くてうまみの元となる髄がたっぷりつまっていそうなものを選んだ。

豚の背ガラも買ったが、うま味成分が早く出る部位なので2日目(食べる当日)に使うことにする。

 

まずは水から沸騰させ、30分くらい下茹でする。

アクがたくさん浮いてきたら汚くなったお湯を捨て、豚骨についている固まった血やゴミを洗い落とす。 

綺麗になったゲンコツを寸胴に戻し、水10リットルを入れて再度火にかける。

臭みけしにネギと生姜スライスを放り込む。

 

1時間ほどアクを取りつつ煮込んだら肉も追加する。

二郎系のスープは豚骨より豚肉から出るダシが重要なのだ。

豚バラブロック計1.5kgをタコ糸で縛る。

 

どかーんと投入。

 

豚軟骨も安くなっていたので購入した。これもダシ要員として追加投入。

煮あがったらタレに漬け込み晩飯のつまみにしよう。

 

さらにニンニク3房、キャベツの芯と葉、玉ねぎ一個、豚背脂を1kg程投入。

16リットルの寸胴が溢れそうになった。

 

その後、野菜と肉は2時間ほど煮たら取り出す。

時々めん棒でかき混ぜながら8時間ほどグツグツ煮込んでスープの量が半分くらいになったところで1日目は終了。

写真を撮り忘れてしまったが溶けた豚骨成分と脂が混ざり乳化した白濁したスープができた。この時点で6リットル弱。

濾して冷ます。

 

2日目。

友人宅に寸胴と材料を持ち込んで作業再開。

キッチンで豚骨を炊くのを許可してくれた奥さんに感謝。

ちゃんと掃除しますんで、今後ともシクヨロです。

 

ということで豚の背がら2kgを1日目のスープに加えて火にかける。

写真は下茹で前のもの。

 

下湯ででした背ガラに背脂とニンニクも追加しガンガン煮込んでいく。

 

肉の旨みが少ない気がしたので豚ロース1.5kgを近所のハナマサ仕入れてきた。こいつを追加投入する。

せっかくなので豪華に行こう。

 

ところで千里眼のスープには独特の香ばしさを感じる

この香ばしさが、千里眼のうまさのポイントの一つだと思う。

アレはどうやって出しているんだろうと友人と話していたのだが、豚肉を焼いてるんじゃないかという結論になった。メイラード反応というやつか。

なので豚ロースはフライパンで強火で焼いてドボン。

この肉も2時間位煮たら取り出してタレにつける。

 

しばらくすると背脂がデロンデロンになってくる。

めん棒でガンガン突いて、骨から旨味を出しつつ背脂を砕いてスープに溶け込ませ乳化させる。

 

その後6時間ほど煮込んで完成とした。

ドロっとして粘度が高めのスープができた。

タレを入れて味見するとこってりコクがあり我ながらいい感じの仕上がりだ。

 

ただ脂が多すぎるので浮いていた油分は少し取り除き、塊になっている背脂も別鍋にわけておく。

 

▪ 豚とタレを作る

スープ作りと並行してラーメンダレとトッピングの豚(チャーシュー)も作っておく。

 

ハナマサの安い醤油とみりん風調味料を3:1くらい鍋に入れて火にかけ一煮立ちさせてカドを取る。 

ここにニンニクと生姜、昆布を少し加えた。

 

 

スープで2時間ほど煮た豚肉はタレに漬け込む。

1時間ほど漬けたらいい感じに。

食べる際に厚めにスライスしてトッピングとする。

 

 ▪️麺をうつ

二郎では麺に「オーション」というタンパク質の含有量が高い小麦粉が使われているらしい。これを低加水率で打つことで、二郎独自の「ごわっ」とした食感が生まれる。

 

今回は残念ながら仕事帰りに寄った富澤商店にオーションがなく手に入らなかったので、代わりにタンパク量が多い最強力粉の「ゴールデンヨット」という小麦粉をチョイスしてみた。

 

最近食べた千里眼の麺は小麦粉の甘みを感じたので国産小麦「春よ恋」もブレンドしてみる。

どちらもパン用小麦だがこの組み合わせは何度か試していて美味しい麺ができる。

 

麺はうってから少し寝かせたいので前日から作業した。

 

 

ゴールデンヨット:春よ恋を7:3でブレンドして加水率33%で水あわせ。

 

東沢製麺機で圧延し麺帯に。厚さは大体5mm位。

 

麺帯を1日寝かせて切る。

 

ぎゅっと揉んでちぢれを入れて完成。

春よ恋の配合を多めにした中太のストレート麺も作ってみた。

 

▪ 仕上げる

みんなのお腹が空いてきたようなのでそろそろ完成させよう。

 

豚(チャーシュー)以外のトッピングも準備する。

二郎で提供される定番のトッピングとは刻んだニンニクヤサイ(大量のもやしとキャベツ)、アブラ(背脂)だ。

注文時に店主に「ニンニク入れますか」と聞かれるので「ニンニクヤサイで」などとを指定することができる。

 

そして千里眼には上記に加えて「辛あげ」という特徴的なトッピングがある。

簡単に言うと辛い揚げ玉なのだがスープに混ぜるとパンチのある味に変化する。

こいつを作る。

 

と言っても買ってきた天かす1袋に一味とうがらしをザバッと振りかけて袋ごとシェイクするだけ。簡単だ。

 

 

さあ、準備は整った。

一杯づつ仕上げていこう。

 

もやしと大きめに切ったキャベツを茹でてザルで水を切っておく。

 

温めたスープとタレ、ハイミー(化学調味料)小さじ1をどんぶりにそそぐ。

 

麺を5分ほど茹で、野菜、豚をドカッと豪快に盛り付ける。

 

みんなに「ニンニク入れますか」と聞いていくのは面倒なのでニンニク、辛あげは卓上にスタンバイさせておき、それぞれお好みで入れてもらうことにした。

 

豚を多めに乗せて、背アブラを少し振りかければ・・・

 

 

完成! 

 

 

麺は甘みがあっていい感じ。

 

でももう少し太くてもよかったかな。

 

スープは濃厚で旨味がたっぷりだがあの香ばしさは出せてないなー。

寸胴に焦げ付いたスープがあの味の出してるという噂もあるがどうなんだろう。

 

あと最近千里眼のトッピングに加わった「ショウガ」を入れるの忘れたのに終わったあと気づいた。

 

 ということで千里眼にはまだまだ及ばなかった。

三里眼ってとこだな。(結局これが言いたかっただけ)

 

まあ友人たちには「うまい」と言ってもらえ概ね好評だったので良かった。

励みになります。

 

 

最後に遅れてやってきた友達にヤサイマシ豚マシの一杯をお見舞い。

 

 

おかわりしたので食いすぎた。

カロリーがマシマシだ。

 

「好きな物を食べてその分走る」あの川内優輝は言っていた。

いい言葉だ。食べても走れば帳消しだ。

 

吞みすぎて今日は走れないけど明日走るから大丈夫だ。

 

 

お粗末さまでした。

 

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